飲食店経営者の皆様、コレから起業を目指す皆様、いらっしゃいませ、【実録】飲食店経営ブログ 管理人の「fujiba」でございます。
突然ですが「アイドルタイム」ってご存知ですか?
「idle time」決して、歌って踊る【アイドル】ではありません。
英語で「idle」=「仕事がない」という意味で、飲食業界ならず多方面でも良く使われる言葉です。
「この時間に集客出来れば、一日の売上も平均的に伸びてくれるのになぁ~」と、強く思われている経営者の方も少なくないでしょう。
結論から言えば「その市場に対して、その需要が無い」という事で、今回は「時間帯・曜日別」の売上推移データについて書いて参ります。
◆売れない時間は、どうやっても売れません。
既存で営業しているお店の場合、様々なデータを分析してお客様へのニーズやお店の経営方針などで活用されていると思います。飲食店で収集しているデータの代表格は、【時間帯別売上高】【曜日別売上高】【男女比率】などがありますね。
お客様と一期一会になりがちな飲食店でとれるデータは、限られたものになる事が多く、顧客分析の切り口には、意味を持つものと、持たないものがあるので、この見極めが意外と重要になってきます。
まず、実際に自分の業態において、様々な角度からデータを取り、仮設・検証を繰り返して、意味の持つ数字を特定していきます。
実際に飲食店などで多く利用されているデータは、やはり【時間帯別売上高】だと思います。
1時間単位で売り上げを調査し、今後の集客対策に役立てるものですが、時間帯別売上高は多くの飲食店にとってあまり役には立たないのです。
例えば、居酒屋で時間帯別売上を分析すると、必ず17~19時までの売上が低くなるため、その時間帯の売上をどうやって上げていくか?という議論になります。
しかし、居酒屋において、この時間帯の売上が低いのは当たりまえ。
日本国内における居酒屋の多くは、オフィス街・繁華街にあり、その主要ターゲットをサラリーマンかOLに設定しています。
普通の会社員は19時くらいまでは仕事をしており、17時や18時といった就業時間きっかりに仕事を終えて飲みに行く人は、それほどいません。
しかし、多くの居酒屋が、この時間帯の売上を伸ばそうと17時~19時までを【ハッピーアワー】と称し、生ビール100円キャンペーンや、この時間帯限定の安売りイベントで集客を試みます。
しかし、そうした企画には、需要があまり無く、大きな結果は望めません。
そればかりか、キャンペーンを知った一部のお客様が19時以降の正規料金を払う事に抵抗を感じ始めてしまいます。
飲食店での時間帯別売上高を基に集客対策を立てるのであれば【9~11時のモーニング】【11~14時のランチタイム】【14~17時のアイドルタイム】【17時以降のディナータイム】といった感じで、もっとザックリと時間を区切り、それぞれの傾向と対策を立てていく必要があります。
ピンポイントで【13~14時】の間に集客を試みても無理な話です。
また、考えるべきは、売れない時間を売れるようにするアプローチではなく、売れる時間をもっと売れるようにするアプローチです。
居酒屋であれば、19時から21時までがピークですので、その時間帯を満席にするための方法を考えた方がよっぽど効率的でしょう。
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◆【曜日別売上データ】っている?
どこの飲食店でも、時間帯別売上の分析と同じくらい曜日別の売上分析を行っていますが、これも居酒屋にとっては、さほど有効なデータではありません。例えば、居酒屋を経営していて、月曜日の売上が低い事が分かった時の対策例は【毎週月曜日は生ビール半額】【月曜日はデザートサービス】という感じでしょうか?
しかし、1週間の中で売上が低い曜日を特定し、その日の売上を上げる事もまた、無理のある売り上げ対策です。
水曜日に飲みに行く予定だったお客様が、月曜日に来るようになるという事でしょう。
時間帯別売上も曜日別売上も、ピンポイントで集客をかける事を考えると、他の時間帯や曜日のお客を奪うだけになるので、現実的な集客には繋がらないでしょう。
もうすこし大きな時間帯での利用価値を捉え、サービス自体を考えた方が良いのではないでしょうか?
※マーケティングという観点で、この本は面白かったのでご紹介。
◆2020年10月追記
この記事に関して様々なご意見が多い為、追記致しますが、やはり売れない時間はどうしてもあります。
しかし、withコロナとなってしまった今、テイクアウトの需要が増え、どこのお店さんも行っていると思いますので、ここで成功例を一つ。
通常は夕方からの居酒屋業態、もちろんランチも行いテイクアウトもやっています。
しかしテイクアウトメニューが通常のお弁当メニューの他にスイーツにも力を入れているんですね。
面白いのがテイクアウトによるスイーツの売上が好調でしかもアイドルタイムに爆売れしていると言う事実。
アイドルタイムの上手な活かし方としては面白いと思いますのでご参考まで。
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