飲食店経営者の皆様、コレから起業を目指す皆様、いらっしゃいませ、【実録】飲食店経営ブログ 管理人の「fujiba」でございます。
さて、皆さんは『儲かる』という言葉の定義について考えた事がありますか?
『儲かる』という言葉ほど、使う人によって違う意味〈数字〉を指している言葉も珍しいのではないかと思います。
という事で、今回は聞きなれない方も多いと思いますが、多店化する為に必要な知識『ROI=投資収益率』について書いて参ります。
◆『儲かるお店』の基準をはっきりさせる。
ある人は「利益額の多いお店」の事を言い、またある人は「利益率の高いお店」の事、さらに「粗利益率の高いお店」の事を儲かるお店と言ったりと、考え方は人それぞれ。
自分の知り合いに『中華料理は儲かる』と言われた事があります。
この場合は明らかに「粗利益率が高い」という意味で使われています。
ビジネスにおける共通言語は『数字』です。
なので『儲かる』という言葉の数字的な根拠について明らかにしておく必要があります。
例えば、毎月100万円ずつ営業利益を出しているお店が2店舗あったとします。
この時点で両店舗とも毎月100万円の『営業利益』を出していますので、どちらが儲かっているか判断は出来ませんね。
では、営業利益は、両店ともに月100万円でも、『利益率』に違いがあり、一つは15%、もう一つは20%だとしたら、後者の方が効率は良いですが、利益額は同じなので,まだどっちが『儲かるお店』なのか分かりません。
しかし、最初の店を作るのに1000万円かかり、後者を作るのに2000万円かかっていたとしたら、どうでしょう?
この状態であれば、最初のお店の方が、明らかに儲かっていると言えるでしょう。
さらに付け加えると、最初のお店は、後者より2倍儲かっています。
なぜかというと、初期投資が倍かかっているので、最初のお店の経営者が、2000万円持っていれば、単純に2店舗出店し、倍の200万円の営業利益を得る可能性があるからです。
同じ月100万円の営業利益を得るのであれば、店舗への投資金額が、2000万円かかるよりも1000万円で済む方が『儲かる』と、誰もが思うのではないでしょうか?
自分は、投資額に対してどれだけ利益を生み出しているか?をみる『ROI=投資収益率』という数字こそ、『儲かる』という言葉を表す指標だと考えています。
◆ROIの算出方法について
ROIは「営業利益×資本回転率」もしくは「営業利益額÷投資額×100」のいずれかで算出します。
営業利益率は「営業利益÷売上高」で計算し、資本回転率は「売上高÷投資額」で算出出来ます。
ここでは、営業利益を用いましたが、ROIを算出する時の利益は、〈営業利益〉でも〈経常利益〉でも、〈税引き前当期利益〉でも〈税引き後当期利益〉でも構わないです。
飲食店の場合は、店舗への投資になるので、営業利益が最も適していると思います。
ROIは、いつも同じ利益を用いて計算する事が大切で、店舗ごとに算出するROIに使う利益がバラバラでは、どの店舗が儲かっているのか?比較しようがありません。
このROIの基準を決める事が『多店舗展開』を成功に導く為の第一歩。
誤解を恐れずに言えば、自ら定めたROI基準値を満たす店舗の量産こそが多店舗展開の本質だと思います。
飲食店経営者の中では、自分がやりたい店を作るというプロデューサーのようなスタンスで出店を繰り返す人もいますが、それは飲食店経営とは呼びません。
飲食店経営者は経営する人であって、プロデュースをする人ではないからです。
経営は先に述べた通り、会社を潰さない事が、最も重要。
その為には、既存事業のフリーキャッシュを確保する事、自ら定めたROIを守る事が原則になります。
経営は、自分が作りたいお店を作る事とは全く違う活動という事です。
ROIが『資本回転率』と『営業利益』で決まる事は解説しましたが、ROIを高める為には、この二つのうち、『資本回転率』を高める方が現実的です。
売上高や営業利益率を極端に高める事は、一度出店してしまえば難しい為、資本回転率を高めて行きます。
平たく言えば、投資を抑える事が『資本回転率』を高める最短距離という事。
高い厨房機器を買わずに中古を買う、保証金の少ない物件を探す、もしくは交渉するなど、出店や多店化する時の心構えとしてご認識下さい。
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